「ザ・ゴール」【お薦め本紹介】
ザ·ゴール
中小企業診断士試験に役立つ(と思う)書籍紹介の第2弾です❗(他の書籍紹介はこちら)
私は完全独学なわけですが、そのせいで、情報源がほぼネットオンリーなわけです。そんな中で、いろいろな先輩方の発信する情報を拝見する中で、頻繁に登場するのが、エリヤフ・ゴールドラット著「ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か」でした。
本書の内容
事例Ⅲに使える書籍は珍しい
試験対策、特に、二次試験対策に活用できそうな書籍として、事例Ⅰや事例Ⅱに関する本は多いのですが、正直事例Ⅲに関する書籍は少ない。
そんな中、この本は、割とドンズバで事例Ⅲ対応の書籍であり、さらには、間違いなく名著だと思います。
本書は、小説形式で書かれています。っいうと、「やった❗読みやすそう😃」と思う人と、「なんか面倒くさそうやなぁ😩」と思う人がいると思います。(私は後者です。)
しょーもないメロドラマとか要らんから、ポイント絞って体系的に整理されてるのが読みたいんやけどなぁ😩 と思いながら、とりあえず読み始めたのですが、思いっきり裏切られましたね。(良い意味で)
全体最適のために考えるべきなのは何か
とある工場が舞台です。
納期遅れが頻発してるけど、何をどうして良いのかよくわからん という工場長が、かつての恩師(理系の学者でありながら経営や生産性工場への造詣が深い)からの断片的なアドバイスを必死で理解しながら、生産性向上、短納期対応を実現していく という痛快サクセスストーリーなのです。
そこで語られるのは、
- ボトルネックがスループットを決定する❗
- 全体最適視点に立ち返って常識を乗り越える❗
ということです。
ボトルネック、ボトルネック❗
工場の生産性が上がらない。
工程間の在庫が積み上がってる一方で、キャパシティオーバーの工程では時間外勤務が常態化し、納期遅延が発生しているうえに製造コストも高い。
事例Ⅲでもよく見る状況ですよね。
本書では、その要因を明らかにし、それまでの常識を覆すやり方・考え方で解決していきます。
ボトルネック工程以外の工程をいくら最適化しても工場全体の生産性は全く上がりませんし、納期遅延も一向になくなりません。それどころか、工程間の仕掛品が増加し、キャッシュフローが悪化してしまうのです。
つまり、ボトルネック以外の工程で余裕時間が生じた場合、仕事するよりも、むしろ、遊ばせておいた方が全体最適に資する というのです。
まぁ、工場長が「仕事せんでいいから、お前らは遊んどけ」というのは根性要りますよね。
でも、確かにそれが合理的なんです❗
もちろん、本書の言いたいことは、
ではなく、
ということです。
「ボトルネックでの1時間の浪費は、工場全体の1時間の浪費と同じである」と本書は言い切ります。
そして、読者にこれを理解させようと、主人公の息子の参加するハイキングチームで、一人の太っちょの男の子が行進のボトルネックになる事例なんかも混じえて説明してくれます。(その子の歩くスピード=チームのスピードです。その子が10分休憩したら、チーム全体の所要時間がしっかり10分伸びます)
まとめ
中小企業診断士の試験勉強で、一次試験の運営管理で
- バランスロス率
- ピッチタイム
などが出てきますよね。
事例Ⅲでも、過去にボトルネック工程が存在する事例が出ましたよね。
本書のテーマは完全にソレです。
二次試験頻出の
- 標準化、マニュアル化
- 多能工化
とかはあんまり出てきません。
その代わり、ボトルネックのことだけは骨身に染みるように理解できます(笑)。
ストーリーも面白いし、ある程度、運営管理の勉強をしてから読めばものすごく読み応えがあると思います❗
オススメです❗
余談になりますが、この本、出版当時は日本のモノづくりが非常に強かった時期で、著者が、「部分最適化能力が恐ろしく高い日本企業関係者に、この本を読ませて全体最適視点を植え付けたら、世界経済が破滅する」(笑)といって、しばらく日本語翻訳版を出させてくれなかったそう。
なんじゃ、そら…。
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