M-1論争(マヂカルラブリー)を診断士視点で【時事ネタ】
中小企業診断士試験勉強関係時事ネタ❗❗
いつも当ブログをお読みいただきありがとうございます。
中小企業診断士試験の攻略法について、【中小企業診断士試験の攻略法】にまとめていますので、是非そちらもご参照ください。
さて、中小企業診断士試験に役立つ(かどうかわからない)時事ネタ第1弾です❗
M-1(2020)の結果に思う
いきなりですが、M-1グランプリ 今年も面白かったですね。
個人的には、マヂカルラブリーの優勝は十分納得なのですが、巷では、「あれは漫才なのか?M-1って最高の『漫才師』を決めるイベントなのではないのか?何でもアリは良くないのではないか?」という賛否の議論が巻き起こっているとか…。
その是非や、漫才の定義については、私は語るだけの知見も動機もないのでここでその議論はしませんが、この1年、中小企業診断士の試験勉強をする中で手に入れた視点·考え方を発射台として、一お笑いファンとして、そこから見えたもの·感じたことをここに書き記したいと思います❗
M-1を事業としてみると
さて、本件についてはいくつかの見方があるかと思いますが、M-1グランプリという「事業」について見てみるとどういうことになるでしょうか。
M-1事業のドメインは何か。エーベルの提唱したドメインの定義は、
です。
【A】
「誰に」=「全国の漫才ファンに」
「何を」=「型にこだわった本物の漫才の楽しさを
「どのように」=「優勝にかける若手の情熱から生まれる質が高く魂のこもった漫才の応酬で」
【B】
「誰に」=「全国のお笑いファンに」
「何を」=「自由度の高いお笑いの楽しさを
「どのように」=「優勝にかける若手の情熱から生まれる質が高く魂のこもったネタの応酬で」
さて、どちらのドメインがより競争優位につながるか、どちらのドメインがより成長につながるかについて、ものすごく個人的な見解f(^_^;を、これから展開したいと思います。
【A】のようにターゲットを限定する方が良いのはどういう場合でしょうか。
お笑いファンを広くカバーするだけの十分なブランドや経営資源がない場合。そして、漫才の型にこだわった市場に集中することで現有の資源で競争優位が得られる場合。が一つ考えられますよね。
もしくは、広くカバーする場合よりもコアな漫才ファンに限定した方が、投入する資源と成果の比率が有利な場合。も候補として考えられます。
一方、【B】のようにターゲットを広くとった方が良いのはどういう場合でしょうか。
コアな漫才ファンに限定する場合と、ほとんど同じ経営資源でお笑いファンを広くカバーできる場合。でしょうか。
または、幅広くとることで十分な市場の広がりが得られ、成果の拡大に繋がることにより高い費用対効果が得られる場合。も【B】に優位性があると言えそうです。
SWOT分析
次に、(勝手に、そして多分に偏った)M-1事業についてのSWOT分析をしてみましょう。
- 〈S〉
- 全国区の知名度と若手漫才師からの憧れと絶大な支持を得ているブランド力。
- 著名な審査員と長い歴史、これまでの物語性が模倣困難な付加価値を確立していること
- 〈W〉
- …。
- 〈O〉
- 国内お笑い市場は十分な規模を持っていること。
- 若手漫才師から新たな笑いのフィールドが創発されること。
- 〈T〉
- ネットTVやYouTube等の新たなメディアの台頭。
- 変化の激しい視聴者の好み。
戦略への助言(勝手に)
さて、上述した【A】【B】いずれのドメインが最適かの条件分析とSWOT分析結果を踏まえて考えると、
- これまでに積み上げたブランド力は伝統的漫才に範囲を限定する場合も、幅広くカバーする場合も、いずれでも模倣困難な強みとして活用できること
- コアな漫才ファンにターゲットを限定し事業範囲を固定してしまうと、視聴者ニーズの変化の中で、台頭する自由度の高い新たなメディアのコンテンツに対する競争力を維持できなくなる恐れがあること
から、【B】により積極的にカバーする枠を拡げていくべきではないか。つまり、マヂカルラブリーのネタも、M-1グランプリの対象として積極的に認めていくべきではないか。
というのが私の(超個人的な)解答なわけです。
視聴者の好みの流動性がどんどん高まる中で、それに対応する新メディアが急速に成長し、ノウハウとブランドと資源を蓄積してきている状況において、M-1といえども安泰ではない。ここで新たなフィールドを排除してしまうと、そうしたフィールドを模索する若手からの絶大な支持が陰り、現在の競争力の源泉を失うことにもなりかねない。
今回の「漫才なのか」論争も、多様性と話題性、ブランドの物語性を強化する機会としてしたたかに活用する。
というのが、事業戦略として、中小企業診断士が助言すべき(何で❗❓)内容ではないかと思うわけです。
まあ、もちろん、M-1の運営側ではこんな騒動は織り込み済みで私の想像をはるかに超える戦略が用意されているんでしょうけどね(^_^ゞ
まとめ
以上、おそれ多い主張をしましたが、中小企業診断士試験勉強に絡みそうな切り口の企画といことで、サラっと軽い気持ちで企業経営理論の復習を兼ねたコラム みたいな感じで読み飛ばしてもらえると幸いです。
2020年も残すところわずかです。皆様も体調にお気をつけて、良いお年をお迎えくださいませ☺️
コメント
コメントを投稿
皆さんからのご質問や、ちょっと聞いてみたいことなどがあれば、お気軽にコメントしてください。
また、感想などもコメントいただけますと励みになります。
よろしくお願いします。