二次試験対策のお作法! 「課題」と「問題点」は違う? 「留意点」って何?【論点掘り下げ】
中小企業診断士二次試験のお作法
いつも当ブログをお読みいただきありがとうございます。
中小企業診断士試験の攻略法について、【中小企業診断士試験の攻略法】にまとめていますので、是非そちらもご参照ください。
本日は、これから中小企業診断士二次試験対策を始めるという方に向けて、
二次試験の設問によく含まれる「課題」、「問題点」の意味の違いや、「留意点」の意味するところなどに関して二次試験対策上、どのように捉えるべきかについて私の行った試験対策を、参考までにご紹介したいと思います。
日常生活では、あまり厳密な意味にこだわらずにこれらの言葉を使っているかと思いますが、中小企業診断士の二次試験では、それぞれ設問の制約条件として、重要な意味を持っているため、正確にこれらの言葉の意味を解釈して、解答の方向を間違わないようにしなければならない。と言われています。
(あくまで、二次試験は模範解答の公表がないため、想像の域を出るものではありませんが、多くの予備校や試験合格者がそのように考えているものであり、試験対策上、知っておいて損はありません。というか、知っておけば、解答の方向性に一貫性が出ますので、望ましいと思います。)
二次試験の作法
「課題」と「問題点」は違う?
二次試験では、よく、
「~によって、A社にどのような課題が生じる可能性があると考えられるか」
「C社が~を実現するための課題とその対応策について100字以内で述べよ」とか、「C社の生産管理上の問題点と対応策を60字以内で述べよ」などといった出題のされかたがありますよね。
私は、二次試験対策を始めたときは、この2つの意味していることの違いがよくわかっていませんでした。(まぁ、その前に最初は設問を見て何をどのように答えれば良いのかわかってなかったので、どっちみち何も書けなかったんですが。)
この2つって、日常生活では何となく同じような意味で使っているように思います。
しかし、二次試験対策上は、
- 「課題」=事例企業が行わなければならないこと
- 「問題点」=事例企業が直面している良くない状態
と覚えておきましょう。
と、言われても、微妙な感じですよね。例を出してご説明します。
例えば、C社の段取り時間が長いために生産性が低下していたり、ロットサイズを小さくできずに「作りすぎのムダ」が生じている場合を考えてみましょう。この場合、C社にとって、「段取り時間が長いこと」が『問題点』であり、「段取り時間を短縮すること」が『課題』になります。
わかりますでしょうか。ものすごく似ているし、同じ「段取り時間」のことを言い表すのですが、「課題と対応策」という設問に対して、「課題は、段取り時間が長いことで~」と書いてしまうと、「それは問題点やがな!」と突っ込まれる ということ(らしい)です。
この場合、「課題は、ロットサイズの適正化とリードタイム短縮のために段取り時間を短縮することであり、対応策は、外段取り化やIE等による作業の最適化を行うこと」みたいな感じで解答すべき ということですね。
ちなみに、解答の仕方はさまざまな作法が出回っているかと思いますが、私は、再現性を高めるための型として、「問題点は何か」と問われたら「問題点は~」と書き始める。「課題は何か」と問われたら「課題は~」と書き始める。というMyルールを設けてました。
「留意点」って何?
次に、こちらもよく二次試験の設問に出てくる「留意点」です。「A社が~を行うにあたって、どのような点に留意すべきと考えられるか。」といった出題のされかたがよく見られます。
これについても、諸説あるのでしょうが、私が最も腹落ちした解釈は、『「留意点」ときたら、事例企業が行おうとしている施策に付随するマイナス面に気づけていますか?ということが問われていると思え』というものです。なので、その施策に関するデメリットを解答に含めることを意識しながら「~する必要がある」または「~に留意する」で答えるようにしていました。要するに、「何に気をつけないといけないか を私はちゃんとわかってますよ!」というメッセージが伝わるような解答を目指したということです。
例えば、A社が人事制度として成果主義の導入を考えているとして、「成果主義の導入にあたってどのような点に留意すべきと考えられるか」と問われたら、「特に高齢従業員のモラール低下を防止するために、公正で透明性の高い評価基準を設けるとともに、導入の意義を経営トップが明示し、導入後はPDCAサイクルを回して効果と問題点を把握し、状況に応じた修正を行っていく必要がある」みたいな感じで答えるようにしてました。
まとめ
以上、本日は、二次試験の設問文に頻出する「課題」「問題点」「留意点」について、巷の噂を踏まえて私が行っていた試験対策をご紹介しました。
- 「課題」=やらないといけないこと
- 「問題点」=起こっているよくないこと or 状態
- 「留意点」=気をつけなければならないこと
で、「課題」と「問題点」に対する解答は、「課題は~」「問題点は~」で書き出す。「留意点」に対する解答は、「~する必要がある or ~に留意する」で締める。でした!
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