二次試験で答えてはいけないこと❗

中小企業診断士二次試験のタブー

それ、解答するとアウトかも❗

中小企業診断士試験対策に興味を持たれていたり、すでに取り組まれている皆様、いつも当ブログを見ていただきありがとうございます。

中小企業診断士試験の攻略法について、【中小企業診断士試験の攻略法】にまとめていますので、是非そちらもご参照ください。

今回は、二次筆記試験において、「解答してはいけない内容」について、お話したいと思います。

皆様の参考にしていただければ幸いです。

二次試験の概要と対策

中小企業診断士試験の二次試験は、筆記試験と口述試験という構成になっていて、難関となるのは筆記試験です。(口述試験は、筆記試験で取り組んだ企業事例に関して、基本的な受け答えができるかどうかの確認がなされるもので、いわゆる「落とすための試験」ではありません。)

事例Ⅰから事例Ⅳまでの4つの企業事例が与えられ、これらの事例における課題や改善策などを、中小企業診断士の視点から助言する というのが二次筆記試験の内容です。(中小企業診断士試験の内容の詳細は中小企業診断協会のサイトをご覧ください。)

悩める中小企業への助言

これら4つの事例企業には、それぞれ、理念やビジョン、経営課題があります。そして、保有する強み·弱みと、外部環境としての機会·脅威の中で、いかにして課題を解決していくか、生産性を向上させていくか という悩みに直面しています。

事例企業の状況を説明する与件文において、こうした課題や会社内外の状況に関する情報が明示されていることもあれば、黙示的に示されていることもあります。

受験者は、これを見抜き、整理したうえで、中小企業診断士として、「社長❗こうすれば効率化や生産性の向上ができますよ❗」、「社長❗こうすればビジョンが実現できますよ❗」ということを助言(=解答)しないといけないわけです。

してはいけない助言

ここで、注意が必要なことがあるのですが、先日の記事「二次試験についてのよくある誤解」でもお伝えしたとおり、二次筆記試験では、事例企業の社長への助言(=解答)は、自由で奇抜なものになってはいけません。

例年、数千人が受験する筆記試験です。試験事務局側の事情として、採点において公平性が求められることはもちろんですが、同時に効率的に行うことも求められます。

そのためには、設問の段階で解答の方向性(ストライクゾーン)を限定しておいて、ストライクゾーンに入っているかどうかで解答を評価する必要があるのです。なので、解答の方向性はある程度絞り込まれていると考えると考えるべきだと思います。

では、どのような方向の解答が望ましいのか。これについては、ある程度の共通項はあるように思いますが、結局は事例企業次第です。与件文と設問文に基づいて、個別に「どの方向が正解なのか」を見極めていくしかないように思います。

つまりは、これさえ書いておけばOKというような全事例共通で使える解答というものはないと思います。

一方で、「これは書いてはいけない」というタブー解答は、いくつか存在していると考えています。

今回は、「こんな助言(解答)はしてはいけない」というものについて、私の思うところをいくつか挙げてみたいと思います。

安売り競争

まずはこれですね。

売上を拡大したり、顧客を獲得したりするための助言として、「安売り」を助言する解答は、恐らくご法度です。

事例Ⅱなんかでは、よく、事例企業であるB社が、低価格で勝負してくる大手の競合に対してどのように対抗していくか、を助言する問題が出題されますが、低価格で対抗してはいけません。体力勝負になってしまい、中小企業であるB社の勝ち目がなくなってしまうからです。

あくまで、製品やサービスの差別化や、背景にある想いやストーリーといったブランド力で勝負するよう助言するべきです。

全セグメント向けのフルライン戦略

幅広い品揃えであらゆる客層のニーズに応えようとする戦略ですが、これも、上の低価格と同じく、大手との体力勝負になってしまいますから、助言すべきではないですね。

製品ラインアップや商品の品揃えやサービス内容に関しては、明確にターゲットを絞り込んで、そこに特化して、ニッチな市場でナンバーワンを目指す戦略を助言するのが正解の方向性だと思います。

人員削減による効率化

これもダメだと思います。

上で挙げた2つと違って、中小企業にとって、人員削減が現実的な解決策である という局面は確かにあるのだと思うのですが、中小企業診断士試験においてはご法度です。

一次試験で【中小企業経営·中小企業政策】を勉強された方はご存知だと思いますが、中小企業政策の基本思想として、中小企業に期待する役割の一つに地域の雇用の担い手があります。

この政策目的にそぐわない、雇用削減という助言は、試験対策上は避けるべきだと思います。

無関連多角化

これは、勝算が低いというか、競争優位を獲得しにくいという点で避けるべきだと思います。

もともと、大企業に比べて経営資源に劣る中小企業です。リスク分散のために複数の事業進出することが必要な局面であるとしても、進出先の事業で一から技術やノウハウを積み上げていくだけの余裕はありません。

多角化をするとしても、既存事業で培ってきた技術やノウハウを強みとして活用できる関連事業への進出であれば、大手競合に対して競争優位に立てる可能性が見えてきますので、そのように助言するべきだと思います。

大ロット化による効率化

これは事例Ⅲで出てくる話です。

現実的な話としては、生産工程の中で、まとまった数量の製品を一気に加工してしまう方が、段取り替えの回数が削減されるために望ましい という局面はあるのだと思います。しかし、生産を大ロット化すると、工程間の在庫が増加し、きめ細かな納期に対応しづらくなってしまいます。

試験対策上は、どちらかというと、生産する製品種類を小単位で刻んでいくことで、ムダな工程間在庫を抑制する という方向の解答が求められているように思います。

まとめ

以上、今回は、中小企業診断士二次試験において解答してはいけない内容として、いくつか紹介させていただきました。

共通する考え方としては、「その戦略で、経営体力のある大手の競合に対して勝っていけるのか?」という視点で、大手との体力勝負は避ける という助言が、望ましい方向性とされているのだと思います。

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